2026.06.07
「お腹はいっぱいだけど、残すのがもったいないから食べちゃおう」
「1人前の基準がこれくらいだから、お皿にある分は全部平らげる」
もしあなたがそんな風に食事をしているなら、今すぐその習慣、やめてみませんか?
私が普段の食事でも、お客様をサポートするときも、ずーっと大切にしている秘密の感覚があります。
それは、「美味しいと感じる感覚が薄くなった瞬間に、ピタッと箸を止める」という方法です。
「お腹いっぱいになるまで食べないなんて、ただの我慢じゃん!」と思うかもしれません。
いいえ、全く逆です。我慢するんじゃなくて、
「1番美味しい瞬間だけで食事を終える」という、究極に贅沢で、ズルい食べ方なのです。
そもそも、私たちが「美味しい!」と感じる時、体の中では何が起きているでしょうか?
味を感じているのは「脳」ですが、その脳に「今、美味しいよ!」と教えているのは、他ならぬ「あなたの体(内臓)」です。
体がエネルギーを欲している時、脳はご褒美として「美味しい!」という最高のご馳走シグナルを出します。
だから、空腹のときの一口目は感動するほど美味しいわけです。
でも、体が満足してくると、内臓から脳へ「もう十分届いたよ、ストップ!」というサインが送られます。すると脳は、同じ食べ物に対して「美味しい」と感じるスイッチを、だんだんとオフにしていきます。
食べている途中で「あれ?最初の一口ほどの感動がなくなってきたな…」と思ったら、それはあなたの体が「これ以上食べたら、処理しきれなくて太っちゃうよ!」と教えてくれている証拠なのです。
ここで、「野生の動物は〜」という話をすると、「ライオンは肉しか食べないじゃん」と思う人もいるかもしれません。
でも、肉しか食べないライオンと、私たち人間を同じにするのは間違いです。
人間は、いろんなものを組み合わせて食べる生き物です。
実は、最新の科学でも、人間のような生き物は、「自分の体に今、何がどれだけ必要か」を本能的に見極めて、完璧なバランスで食べるのをやめることが分かっています。
カロリー計算なんて知らない大自然の先住民族たちも同じです。
彼らは自分の「美味しい」という感覚のままに、いろんなものをバランスよく食べているだけで、太ることもなく、めちゃくちゃ健康的な体をキープしています。
世間の言う「1人前」という数字や、ガチガチのカロリー計算に振り回される必要はありません(もちろん、目安として数字を知ることはプロの現場でも大切にしています)。
だけど、だからといって何も気にせず、好きなものだけをドカ食いしていいわけでもありませんよね。
大切なのは、「偏り」や「食べすぎ」をなくして、今の自分の体にとって、ちょうどいいバランスを上から見下ろして整えてあげること。
そのバランスが美しく整っているとき、体は「今が最高の状態だよ!」という合格サインを、あなたに「美味しい」という味覚で教えてくれます。
ガチガチの食事制限で心をすり減らさなくても、自分の味覚が教えてくれる「引き際」に少しだけ繊細になる。
それだけで、食事はもっと自由で、健康的で、最高に楽しいものになります。
しかし……現代を生きる私たちの前には、この「体のリアルな声」を容赦なく邪魔してくる、恐ろしい罠が潜んでいます。
次回(第2部)は、じゃあなぜ私たちは「もう美味しさのピークは過ぎた」と分かっているはずなのに、ついつい手が止まらなくなってしまうのか?40〜50代の女性が最もハマりやすい、現代社会が仕掛ける「脳のバグ」の正体に迫ります。
